実践的総合キャリア教育の推進      
〜体験と実習を礎とする職業観形成法の確立


   

現代GPとは・・・
 文部科学省が推進する大学教育改革で、各大学・短期大学・高等専門学校等が実施する教育改革の中から優れた取組を選び、それを支援するとともに、広く社会に情報提供することで他大学等も積極的に教育改革に取り組むことを促すものです。
 この「優れた取組」を「
ood ractice」と呼び、この言葉を略して「GP」と呼んでいます。
 山形大学工学部が選定された現代GPとは「現代的教育ニーズ取組支援プログラム」の略で、社会的要請の強い政策課題(地域活性化への貢献、知的財産関連教育など)に関するテーマのものをいい、他にも「特色ある大学教育プログラム(特色GP)」があります。


取組の概要

 
山形大学工学部は『社会で輝くエンジニア』の育成を目指し、従来の学部教育カリキュラムに加え、職業観形成と意欲向上を図るための教育法を確立しようと考えています。(図1.2参照)

 確かな職業観を形成するためには、「自分・自己の理解」「働くことの意味の理解」「職業・仕事の理解」が必要です。
 そのため、以下の3つを大きな柱とする施策群を学生に提供していきます。

1.エニアグラム(心理学手法の一つ)などを使った
自己理解用ツールと組み合わせるキャリア形成科目

2.地域と連携した特色ある
実践的就労実習

3.社会人との交流や自発行動等を促す
学生参加型活動(ワークショップ)。

 また学生への教育効果を高める目的で、研修を受けた教員が全学生との
個別相談の場を設ける

 なお、本取組では、上記の施策とともに、既存の科目とも連携した綜合化(シンセサイズ)プログラムを開発し実施していきます。

          
図1 取組の目標と構成

                   

              図2 施策

プログラムの特徴

入学から卒業までを、段階的そして継続的に自ら考え行動をし、社会とふれながら自己成長を促す、実践的なプログラムで、
ストーリー性と全体の関連性を重視した綜合化(シンセサイズ)を目指しています

・・特徴的な取組・・
自己理解用ツール

 PCからの質問に答える形で、自分の価値観を九つに分類させるエニアグラムという手法や、ホーランドの6分類という手法で潜在的な職業興味を引き出します。それを踏まえ、マーケティングのSWOT分析と呼ばれる手法を応用し、自分の強みと弱みを社会と照らしながら見つめ、自分の市場価値や可能性を考えるソフトです。これらをe-ラーニングシステムとして開発し、活用していきます。
 これは単なる適職診断などと違い、自分自身とじっくり向き合うことと、社会を見据えてしっかり考える機能を重視しており、これまでにない全く新しいツールです。完成度が高まれば、全国への普及も期待できるものと考えています。             
学生参加型活動

3年生の後期から始まる就職準備の段階において、学部2年生が活動の中心となり、情報収集を目的とする様々な活動を通じて職業に関する情報に触れ、職業を強く意識させます。さらに社会人との交流などの直接的な刺激により人間力の育成に繋げる狙いです。
 これはすべて学生が主体的に活動して、情報収集や企業の方々との交流の場、たとえばワークショップやシンポジウムンなどを、学生が企画して運営します。情報や報告も学生らが、他の学生向けに発信します。さらに、この活動をするコア人材の育成をする授業(キャリアプランニング)を設置しています。
 これらにより、学生の自主性・積極性・コミュニケーション能力・企画・運営力の育成を目指しています。
   
 地域連携型長期就労実習


 現在二つの実践的就労実習に取り組んでいて、特に特徴的なのが夜間コース向けの地域連携型長期就労実習で、これは、授業のない昼間の時間を利用して、専門分野の企業へ学生を派遣しています。

 学生にとっては、対価を得る責任ある立場での実習となり、また半年で1単位、最大6単位までが3年次までに習得可能となっています。さらに、教育効果の増大を目指し、事前教育や定期的指導も併せて行います。

    
 綜合化(シンセサイズ)

 本取組は多くのメニューを連続的に組み合わせた綜合的な職業観形成プログラムです。
 入学から卒業後の就職に至るまでの間、各学科での科目も含めて職業観形成に資する施策をシャワーの如く浴びるように取組んでいきます。それらが職業観の段階的な形成過程に合わせて、ストーリーをもって送り込むよう連続的に構成され、着実に職業観を形成させるものです。


STEP1:自己の理解と働くとこの意味や職業の理解に向けた知識レベルでの情報を身につける
                       (キャリア形成科目・自己理解用ツール)                
STEP2:上記で抱いた職業的な興味のきっかけを醸成させる。
   現実的な体験を通じて職業の理解を深める(就労実習・学生参加型活動)


STEP3:
職業観が徐々に形成されていくことをガイド、支援する(個別相談)
 個別相談体制の確立

 すでに山形大学には
YUサポーティングシステムという修学支援体制が確立されており、担任制と個別相談体制はできています。これらをキャリア相談に対応可能な体制へ発展さています。
 
本学ではキャリアサービスセンター選任教員および外部講師による、全教員に向けた研修を行い、学生への相談体制を強化しています。