事業概要
HOME >Sathish助教がシンポジウムを企画しました「結晶性高分子固体の応力ーひずみ挙動の構造論的解析」

Sathishがシンポジウムを企画しました「結晶性高分子固体の応力ーひずみ挙動の構造論的解析」

日程:平成24年12月7日(金)15:00〜
場所:山形大学工学部 5号館303教室
講師:新田晃平 先生(金沢大学)
講演タイトル:「結晶性高分子固体の応力ーひずみ挙動の構造論的解析」
内容:結晶性高分子は、溶融状態からそのまま固化させると、数10ナノオーダーの厚みをもつ結晶部と非晶部を見事な様式で併せ持つ球状組織(球晶構造)を形成し金属やセラミックス材では達成できない、等方的で延伸性に富んだ優れた力学物性を示す。このような球晶構造を形成する結晶性高分子固体の応力発現機構の構造論的な解釈は、力学特性のさらなる改質のみならずミクロやナノ複合材料の設計においても重要な指針になりうるものと思われる。一般に、結晶性高分子固体材料は、一軸延伸させると明瞭な降伏挙動を示すなど、その力学挙動は極めて複雑で、応力―ひずみ曲線上に極大点を現す。この極大点(降伏点)を境にして、試験片にくびれが生じ、球晶構造から繊維構造への大規模な高次構造の変態が起こる。降伏やくびれの発生は、材料の破損を意味し、材料の強さや耐久性を支配する重要な因子となっている。  代表的な結晶性高分子であるポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)は、いわゆるプラスチックの代表であり、今日までに膨大なる力学物性に関するデータの蓄積がある。それにも拘らず、未だに結晶度といたパラメターの見地から脱しておらず分子機構に立ち入った定量的な解析には至っていないと思われる。Mandelkernが指摘するように、球晶サイズ、結晶構造、結晶厚、非晶厚などの構造因子が独立変数として捉えきれず、かつ分子量や一時構造の様式などの結晶化過程どの高次構造の発現に寄与する因子が複雑に絡み合い、理論的にも実験的にも構造と物性の相関性の解明に大きな障害となったものと思われる1)。  本講演では、これらの構造因子を巧みに取り入れた新しい構造様式であるラメラクラスターの概念を用いて降伏破損現象を解析した例を述べる。
1) L. Mandelkern in Physical Properties of Polymers, ACS
※このセミナーは、テニュア・トラック普及・定着事業(若手研究者の自立的研究環境整備促進)の支援を受け開催しています。